皆さん、こんにちは。群馬県邑楽郡大泉町の行政書士事務所 行政書士オフィスかわしまです。
こちらの記事では、化粧品事業者の方なら、ご存じと思いますが、化粧品の製法、コールドプレス製法について説明させて頂きます。一般の化粧品利用者の方は、ご存じないかもしれませんが、化粧品にも色々な種類がありますので、これを機会に、化粧品の製法についても調べてみるとおもしろいかもしれません。
化粧品におけるコールドプレス製法について
化粧品の世界では、成分の抽出方法が製品の品質や肌への効果に大きく影響します。その中でも「コールドプレス製法(Cold Press Method)」は、植物や果実の持つ栄養素を壊すことなく抽出できる方法として注目されています。コールドプレス製法は、植物の種子や果実などからオイルを抽出する際に、熱を加えず低温で圧力をかけて搾る方法です。日本語では「低温圧搾法」とも呼ばれ、特にホホバオイル、マカデミアナッツオイル、オリーブオイルなどのキャリアオイルの抽出に用いられています。
オイル系の化粧品(ホホバオイル、マカデミアナッツオイル、オリーブオイルなど)において、この製法は「肌にやさしい」「成分が濃い」といった評価を受けています。化粧品においては、肌へのやさしさや成分の有効性が重視されるため、コールドプレス製法は非常に価値のある抽出方法とされています。
化粧品の製法の中には、高温下で製造を行う製法もあります。コールドプレス製法はこの対極にある製法といってもよいかもしれません。
コールドプレス製法は、化粧品において「自然の力を最大限に活かす」ための重要な技術です。加熱や化学処理を避けることで、植物が持つ本来の栄養素を肌に届けることができ、敏感肌や乾燥肌の方にも安心して使える製品が生まれます。
コールドプレス製法の基本原理について
コールドプレス製法とは、植物の種子や果実に物理的な圧力を加えてオイルを抽出する方法です。最大の特徴は「加熱を行わない」または「低温で処理する」点にあります。通常の抽出法では、化学溶剤を使ったり高温で加熱することで効率的にオイルを得ますが、これによりビタミンやポリフェノールなどの有効成分が変質・破壊されてしまうことがあります。
従来のオイル抽出法には、化学溶剤を用いた方法や高温加熱による圧搾法があります。これらは効率的で大量生産に向いていますが、以下のようなデメリットがあります。
- 高温による成分の変質:ビタミンEやポリフェノールなどの熱に弱い成分が破壊される。
- 化学溶剤の残留:肌に刺激を与える可能性がある。
- 香りや色の変化:植物本来の香りが失われることがある。
一方、コールドプレスでは摩擦熱すら抑えながら、ゆっくりと圧力をかけて抽出するため、植物が本来持つ栄養素をそのまま保持できます。これにより、肌に対してより自然で穏やかな作用をもたらすオイルが得られるのです。
コールドプレス製法の化粧品におけるメリットとは?
コールドプレス製法を利用するメリットは、化粧品にとって計り知れません。以下に数点ご紹介いたします。
- 有効成分を保持できます
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コールドプレス製法で抽出されたオイルには、ビタミンE、パルミトレイン酸、ポリフェノールなどの美容成分が豊富に含まれています。これらは抗酸化作用や保湿効果を持ち、肌の老化防止や乾燥対策に有効です。
- 肌にやさしい化粧品が製造できます
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化学溶剤や高温処理を避けることで、肌への刺激が少ない化粧品の製造が期待できます。一般的に高温処理された成分は、変性まで行かないにしても、何らかの影響を受けている可能性はあります。コールドプレス製法を利用することで、成分が本来の働きを維持し、敏感肌や乾燥肌の方でも安心して使用できる製品が製造できます。そのため、妊娠中や授乳中の方、子ども向けのスキンケアにも適しています。※一般的に、妊娠中や授乳中の方はホルモンバランスの変化で、肌が敏感になりやすいと言われております。どんな化粧品を使用する場合でも、パッチテストとして、少量でお試し利用をされることをおすすめします。
- 香りと質感の自然さ
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植物本来の香りや色が残るため、アロマオイルやナチュラルコスメにおいて、自然な使用感が得られます。人工香料に頼らず、天然の香りを楽しめるのも魅力です。
- 環境と倫理への配慮できます
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コールドプレス製法は、オーガニック原料との相性が良く、エコサートなどの認証を受けた製品にも多く採用されています。環境負荷が少なく、持続可能な製造方法としても評価されています。
コールドプレス製法と他の製法との比較について
コールドプレス製法と他の製法を表にして、比較しました。
| 製法名 | 特徴 | 成分保持 | 肌への影響の可能性 | コスト |
| コールドプレス | 低温で圧搾 | 高い | やさしい | 高め |
| ホットプレス | 高温で加熱抽出 | 低い | やや刺激あり | 低コスト |
| 溶剤抽出 | 化学溶剤使用 | 低い | 残留物の懸念あり | 低コスト |
⚠️ 抽出効率の低さ
コールドプレス製法は、短時間で大量に抽出することが難しく、製造コストが高くなります。そのため、製品価格も高めに設定される傾向があります。
⚠️ 品質のばらつき
自然由来の原料を使用するため、収穫時期や気候によって成分の含有量が変動することがあります。これを安定させるためには、厳密な品質管理が必要です。
代表的なコールドプレスオイルとその効果について
以下に代表的なコールドプレスオイルを紹介します。これらのオイルは、コールドプレス製法によって抽出されることで、より高品質なスキンケア成分として活用されます。
- ホホバオイル:皮脂に近い成分構成で、肌なじみが良く、酸化しにくい。
- マカデミアナッツオイル:パルミトレイン酸が豊富で、エイジングケアに最適。
- オリーブオイル:ビタミンEやポリフェノールが豊富で、保湿力が高い。
- アボカドオイル:脂肪酸とビタミンが豊富で、乾燥肌に効果的。
コールドプレスオイルを使用することで、化粧品の使用感の向上、質感の向上が期待できます。他の商品との差別化という意味でも大変有効です。
- フェイスオイル
- ボディオイル
- アロマオイル
- 保湿クリーム
- マッサージオイル
石鹸製造におけるコールドプレス製法について
石鹸製造においてもコールドプロセス製法(Cold Process Method)が注目されており、低温で油脂と苛性ソーダを反応させることで、保湿成分であるグリセリンを残したまま、肌に優しい石鹸を作ることが可能です。
コールドプロセス製法のせっけんについて、こちらの記事で説明しています。
まとめ コールドプレス製法
以上、コールドプレス製法について説明致しました。コールドプレス製法は、化粧品において「品質」「安全性」「自然さ」を重視する現代のニーズに応える抽出技術です。熱や化学処理を避けることで、植物の力を最大限に活かした製品が生まれ、肌へのやさしさや効果の高さが期待されますし、実際、実現できています。
製造コストや品質管理の面では、課題がまだまだ残されていますが、オーガニック志向や敏感肌対応の製品を求める消費者にとって、非常に魅力的な製法と言えるでしょう。大量生産に向かないからこそ、ニッチなマーケットを攻めるには、注目すべき技術かと思います。
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