皆さん、こんにちは。群馬県の行政書士事務所、行政書士オフィスかわしまです。
当事務所では、化粧品製造販売業許可、化粧品製造業許可の取得代行を致します。お気軽にご相談下さい。
はじめに
さて、今日は、化粧品のサンプル、試供品の回収についてお話致します。
化粧品の回収については、PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)が公開している、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器等の製品回収状況に毎月のように、新しい内容が載せられています。世間的には大きく知れ渡っていないような内容から、世間に周知の内容まで、様々な回収事例が確認できます。回収は他人事のように思われますが、油断していると、わが身に降りかかるかもしれません。ご注意ください。
PMDAのサイトに行くと、製品回収の情報が得られます。化粧品製品で、どういったことが問題になっているか把握できるので、大変勉強になります。他社で発生しているということは、自社での発生する可能性があるとも言えます。回収事例をインプットすることで、自社でもどのようなことに注意すべきか、反面教師にもなります。自社の業務と回収事象に共通事項がないかなど、必ず確認すべきです。
定期的に回収情報を入手し、チェックして、自社製品の見直し、自社製品への落とし込み等することは、大変有益です。
化粧品の試供品の回収について
先日ですが、PMDAの製品回収情報を確認したところ、化粧品のサンプル、試供品が回収になっていました。試供品と言えば、通常無料です。無料で提供しているのだから、製品に対する責任はあくまでお客様の責任であり、会社に責任はないのでは・・・、なんてことにはならないですよね。特に化粧品は、製品の安全性という観点から、製品提供側の責任は大きいです。
無料で提供しているからといって、問題がある製品を回収しなくてよい訳ではなく、通常製品と同様の扱いをする必要があります。無料で提供していようが、有料で提供していようが、少なくとも化粧品関連は、問題のある製品については、回収する必要があります。また、こういったケースでは、行政側からも、回収指示、回収指導等があります。
化粧品の試供品の回収理由について
今回のPMDAで確認された製品回収の理由ですが、法定表示に問題があったようです。化粧品では、販売名、全成分表示、内容量、製品ロット、製造販売元表示等を記載する必要があります。そして、この表示義務は、化粧品の製品サンプル、試供品等にも課せられます。しかしながら、今回、回収対象になった製品(試供品の化粧品)では、これら必須の法定表示が一部、記載漏れしていたようです。無料で提供する製品サンプルなので、通常製品同様の厳密な表示をしなくてよいと思われたのかもしれません。
化粧品の法定表示は、消費者が安全に製品を使用できるようにするための重要なルールです。日本では「医薬品医療機器等法(薬機法)」第61条などに基づいて、以下のような情報を直接の容器や包装に表示する義務があります:
●主な法定表示項目
- 製造販売業者の氏名・住所 → 個人名または法人名、所在地を記載。
- 製品の名称 → 届出された正式な販売名。
- 製造番号または記号 → トレーサビリティのために必要。
- 全成分表示 → 分量の多い順に邦文で記載。ただし、1%以下の成分や香料などは順不同でOK。
- 使用期限 → 酵素やアスコルビン酸などを含む製品、または3年以内に品質が変化する可能性がある製品に必要。
- 外国特例承認取得者の情報(該当する場合)
●不透明な外箱などで中身の表示が見えないときは、外部包装にも同じ情報を表示する必要があります。
●容器が小さすぎて表示できない場合は、タグやディスプレイカード、外箱に表示することで代用できる特例もあります。
私自身の経験から
本件ですが、今回記事で書いている私自身、苦い思い出があります。実は、以前在籍していた会社で、同様のことを経験しております。製品サンプルとして長年提供していたのですが、なんと、全成分表示など一部の法定表示の記載がない状態でした。当時は、半ばルーチンで作業をしており、当たり前のように、問題を問題と気づけずに、対応していました。
そもそも、サンプルに法定表示がないという問題を問題として理解できていなかったこともあります。そして、ある時、行政側から指摘があり、回収することになりました。経験するとわかりますが、回収は大変な作業です。皆様はこのような経験をされないよう、くれぐれもお気をつけ下さい。
回収は、このような何気なく行っている日々のルーチン業務から生じるかもしれません。当たり前に行っている業務が、実は、法令違反をしているなんてケースもあり得ます。定期的に、自社で自主確認を行う、第三者の視点から、自社の業務を見てもらうといったことも、万が一を防ぐには大変有効と考えます。
私自身がこの経験から得られた教訓としては、製品立ち上げ時に気づけることでも、業務に慣れて、ルーチン作業になってしまっていると、気づけることも気づけない可能性があるということです。どんなことでもそうですが、慣れはこわいですね。自分自身では気づかない慢心のようなものも影響するかもしれません。
製品設計をする段階で、十分に注意して準備するのは当然として、定期的に、自社の製品の表示等を、薬機法と照らし合わせて、問題ないのか確認すべきです。通常製品はもちろんのこと、製品サンプルについても確認すべきでしょう。意識的にこういった作業をすることで、大きな問題を避けることができます。
終わりに
試供品の化粧品であろうが、販売されている化粧品であろうが、薬機法に沿った対応、製品表示が求められています。販促のため、広告の一環として、試供品の化粧品を提供しようと思われている方は、通常製品同様、法定表示をすることを、くれぐれもお忘れなく。せっかくの販促が、回収する羽目になったのでは、元も子もありません。
このように、化粧品を販売するには、色々細かい法律上の要求等があります。経験者だからこそ出来るアドバイスもあります。経験者だからこそ、気づけることもあります。お気軽に当事務所にお問合せ下さい。第三者の視点からアドバイス等させて頂きます。
化粧品製造販売業許可、化粧品製造業許可の取得等についてお気軽にご相談下さい。

